= Track List =
- Deus Le Volt
- Spread Your Fire
- Angels And Demons
- Waiting Silence
- Wishing Well
- The Temple Of Hate
- The Shadow Hunter
- No Pain For The Dead
- Winds Of Destination
- Sprouts Of Time
- Morning Star
- Late Redemption
- Gate XIII
評価:
★★★★★★★★★☆(9/10)
ブラジルの英雄的メロディック・パワーメタルバンドAngraの5thアルバム。前作の名盤『Rebirth』で完全に再生を果たした第2次Angraが目指すものと期待されるものはもう一つしかなかった。それは完璧なアルバムという名盤を残すことだった。そしてAngraの出した答えは「コンセプトアルバム」だった。ある意味自然な流れだったのかもしれない。だが、俗に言う"メロパワ"に求められることは有無を言わさぬ"メロディー"に他ならない。このような形態のバンドがコンセプトアルバムに挑戦するということはメロディーだけに拘らず、アルバムとしての価値・テクニカルという点でもバンドの質を高めていることを意味する。もともとプログレ的なアプローチも得意としていただけに、以外という感想を持つ人は少ないと思う。それだけAngraというバンドは素晴らしいポテンシャルを持ち合わせていることに異論を唱える者はいなくなっただろう。
このアルバムではそんなAngraの魅力を最大限引き出したアルバムと言える。#1:Deus Le Volt~#2:Spread Your Fireの流れは完璧でこれこそAngraの出だしという最高の疾走チューンだ。#3:Angels And Demonsの展開が激しい丁度良い疾走加減のプログレ的な曲を聴いて前作との色の違いが明確になってくる。ギターソロが最もテクニカルなソロを披露している。他にも#6:The Temple Of HateではKai Hansen(Gamma Ray)がVoとして参加。Unholy Warsを越える速さで若干メロディーにBurnning In Hellの匂いが感じられるが、結局はKai Hansenの曲と化している(笑)イントロのスパニッシュ感が冴える本格プログレ系の#7:The Shadow Hunterも素晴らしく、聞き手をぐいぐい引き付ける展開が聴き所だ。#9:Winds Of DestinationではHansi Kursch(Blind Guardian)がVoで参加している。普通に(・∀・)イイ!!何処となくRhapsodyを感じるサビだ。ギターソロの極上メロディーが最大の見せ場だ。そしてラストを盛り上げる#12Late RedemptionではMilton Nascimentoというブラジルでは英雄的レゲエシンガーが参加している。哀愁が漂いながらも壮大な雰囲気が素晴らしい。あまり気付かれないかもしれないが、#13:Gate XIIIではアルバム内の曲のメインメロディーが走馬燈のように流れてくる。これによってアルバム全体に締まりをつけているように感じられる。
全体を通して感じたことは、過去のAngraのスタイルを消化させ、新たに再生したAngraが進化した形となった。もう彼らをジャンルという形でくくりつけることは出来ないのかもしれない。
常にアルバムごとに変化し続けてきたAngraというバンドはプログレッシブ(先鋭的)という点で最も期待されるべきベテランバンドだと思う。是非これからも変な不祥事が起きることなく長く付き合っていきたいバンドだ。そんなこんなで次のアルバムに期待を込めて評価は一つ下げてみた。(since 04,9/9)
Official Site
Best Tune: Angels And Demons アルバム内で最も完璧に近い曲だと思う。Spread Your Fireも良いが全体を通して弱冠無理矢理感があるのは否めない(汗)